今回は資料検討の結果、ペペロンチーノ号について明らかになったことをまとめてみました。
全長19m (画面からの推測値)
全高15メートル(画面からの推測値:マスト含む)
排水量90トン (画面からの推測値)
LD第1巻の映像特典では、ヨーロッパのどこかの港のドックで完成し、そこから出航したことをにおわせています。これによると、スコットとアルはペペロンチーノ号の完成前から知り合いだったようです。
【特徴】
砕氷船を改造した船体に、観測を目的にした高いブリッジ、船体後部に巨大な作業用クレーンを1基装備した、印象的なシルエットをもつ船です。
喫水は比較的浅めで、強力なエンジンを積んでいる、船足はかなり速いようです。リオ・コネクションのモーターボートの追跡から相当長い時間にわたって逃れていることからもこれは明らかです。(第3話、第4話参照)しかし、喫水が浅い船体に高いブリッジという構成は見るからに不安定で、荒天下の操船はたいへんむずかしそうですが、そこはスコットとアルの操船技術でカバーしているのでしょう。
【機関】
船体中央、煙突の直下にある機関室に、直列6気筒のディーゼル機関を搭載しています。インチシステムのネジを使っている(※1)ところから、このエンジンは、どうやらアメリカ製(BSインチならイギリス製)のようですね。
【駆動系】
駆動軸は船倉の下をくぐって船尾に導かれ、船尾から垂直におりています。どうやらペペロンチーノ号の推進器は、タグボートのように能動的に推力方向を変えられるしくみのようです。ただしスクリューは1基しかないため、タグボートのような横進はできませんが、それでも同級の船よりも小回りがきくことは間違いありません。
【艤装】
ブリッジには舵輪、電探(レーダー)、羅針盤、投光器、水中電話が装備されています。スペースを節約するためでしょうか、無線機のマイクとスピーカーは水中電話と共用です。
マスト頂部に見える円盤形の装置はレーダーアンテナです。マスト上部には降雨集積装置がついているのですが、登場した第2話を最後に忘れ去られてしまい、作中では2度と使われませんでした。
左舷前方にはダンフォース型と思われるアンカーを装備しています。
オーブンはガスで動くものですが,どうも調子は良くありません。また、冷蔵庫は,ナナミちゃんの台詞(第1話)によると、『ちゃんと冷凍ができない』もののようです。
シャワーは水の出が悪いらしく、作中ではシェリルしか使っていないようでした。小説版によると、ナナミちゃんたちは雨の日に甲板で体を洗っていたようです。(※2)
【その他】
船倉内に水を供給する配管が通っています。わざわざこのような低い位置に配管を通すというのは、設計上の理由で上部にパイプを通せなかったためでしょうか。
元が砕氷船ということで、最前部と最後部に砕氷時の姿勢維持用の水タンクがありそうですから、不自然な配管の理由はこのあたりにあるものかもしれません。
電気系統については、一般家庭用の電球が点灯したり、トーマスのパワーブックが恒常的に動いている(※3)ところから推測すると、電気系統は少なくとも米式の110Vを供給できるものであるはずです。
【注釈】
※1 ペペロンチーノ号のエンジンはインチシステム
第13話で、アルが『2インチのスパナを取ってきてくれ』と言っています。
※2 ナナミちゃんは雨の日に甲板で体を洗っていた(*^^*)
小説版に以下のような記述があります。
シェリルが続ける。
「シャワールームは?」
アルが黙って甲板を指差す。
「雨が降ればそこがシャワールームよ」
ナナミが明るく言うと、シェリルは急に頭痛がしてきた。
(『七つの海のティコ(小説版)』第1巻・P72より引用)
※3 トーマスのパワーブックが恒常的に動いていた
もちろん12/24Vの変換アダプターがあるなら、船のバッテリーからノートブックPCを動作させることはできます。ただ、かれが電圧変換器を持っていたとは考えにくいのです。
(トーマスのかつての乗船『スコーピオ号』では、デスクトップ型のコンピュータがCRTともども稼動していました。つまり、トーマスは家庭用交流電源をそのまま使える環境にいたはずです。)
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