[始祖鳥生息地へ]

祖鳥のさえずり
(1998年8月1日(土)~8月31日(月)執筆分)

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 落ちも構成もない散文的な文章を垂れ流しにさせていただく日刊連載のコーナーです。

 なお、このコーナーは、ぴか さん提唱の『日記共同体』による運営です。
[日記共同体の手引き]

『日記共同体(命名・luna さん)』につどう、
偉大なる日記戦士のみなさん
『軍続日記』
by 一歩さん
『雑騒鬼』
by ぴか さん
『月の裏側』
by luna さん
『サラリーマン日記』
by 海野さん
 当地読者のみなさまに、ご併読をおすすめします。


[過去の日記(タイトル一覧)] [始祖鳥生息地へ]

第162回『お祝いありがとうございます』 1998年8月1日(土)執筆
第163回『始祖鳥、肩たたきにあう』 1998年8月2日(日)執筆
第164回『はじめての夜間飛行』 1998年8月3日(月)執筆
第165回『気がついてみると』 1998年8月4日(火)執筆
第166回『今日は誕生日』 1998年8月5日(水)執筆
第167回『夜間飛行訓練は中止』 1998年8月6日(木)執筆
第168回『いまワナカにいます』 1998年8月7日(金)執筆
第169回『腕時計のはなし』 1998年8月8日(土)執筆
第170回『今日でワナカ滞在は終了』 1998年8月9日(日)執筆
第171回『無事到着』 1998年8月10日(月)執筆
第172回『競走的共存』 1998年8月11日(火)執筆
第173回『達成目標としての数字』 1998年8月12日(水)執筆
第174回『あと10日』 1998年8月13日(木)執筆
第175回『隙間風は骨身にこたえる』 1998年8月14日(金)執筆
第176回『またも引越し』 1998年8月15日(土)執筆
第177回『久しぶりのアップロード』 1998年8月16日(日)執筆
第178回『ヒューマニズム一考』 1998年8月17日(月)執筆
第179回『費用対効果』 1998年8月18日(月)執筆
第180回『日帰り480km』 1998年8月19日(水)執筆
第181回『帰国パーティ』 1998年8月20日(木)執筆
第182回『強風の日』 1998年8月21日(金)執筆
第183回『CHCHの夜』 1998年8月22日(土)執筆
第184回『飛行機の中で』 1998年8月23日(日)執筆
第185回『仙台に到着』 1998年8月24日(月)執筆
第186回『冷たい方程式』 1998年8月25日(火)執筆
第187回『クラスタの破損を発見』 1998年8月26日(水)執筆
第188回『アップデート不能』 1998年8月27日(木)執筆
第189回『東京行きギブアップ』 1998年8月28日(金)執筆
第190回『飲み会でした』 1998年8月29日(土)執筆
第191回『フランス製のヘリコプター』 1998年8月30日(日)執筆
第192回『翼の長さと生息環境』 1998年8月31日(月)執筆


[目次]
『お祝いありがとうございます』
1998年8月1日執筆

一歩さん、こころのこもったお祝いと罵声(笑)、ありがとうございます。

 わたしの場合は、新しい地平が開けたことを理解する以前の問題で、起こったことが脳につたわるのに時間がかかっているだけかもしれません。一週間も経過してから、『やったぞ、やったぞ』と叫びはじめたら心の底から笑ってやってください。
 わたしも若い頃には『嬉しい』『悲しい』という感情を今よりもリニアなものとして感じていた記憶があるのですが、感覚が鈍麻しまったのでしょうね。『飛び上がって喜ぶ』ことができなくなってしまいました。

 それにしても、ヒトにとってなにより重要なのは食事と睡眠ですね。まったくそのとおりだと思っています。睡眠や食事などどうでも良くなる局面はたしかにありますが、これも程度問題ですね。わたしたちにも、クジラやイルカのように2系統の脳をかわるがわる使って、つねに覚醒していられる仕組みがあれば、おもしろいかもしれません。しかし、ヒトの脳でこれをやってしまうと、12時間周期で性格や得意とする能力が変わってしまい、難儀かもしれないですね。

 データ取りが順調に行くことを願っています。

ぴか さんお祝いのお言葉、大変嬉しく思っています。
 航空身体検査の条件を満たすひとで、なおかつ『飛ぶ意欲』のあるひとならば、おそらく誰にでもできることなので、まったくすごくないのです。過分にお褒めいただくと身の置きどころがありません。
 今回の合格で変わった点は、『乗客を乗せて飛んでも良いことになった』ということで、単独で飛ぶ分には事実上あまり変わりませんが、こころもちはかなり違ってくるのではないかと思っています。

luna さんお祝いの言葉をありがとうございます。

 資格の名前は『Plivate Pilot Licence』で、飛ばせる飛行機は単発の固定翼機です。
 ようやく Student Pilot から Qualified Flyer への進化に成功しました。空を飛ぶ先達として、鳥に敬意をはらっているわたしにとって、Student Pilotごときで鳥を名乗ることには後ろめたさがあったのですが、正岡子規や石川啄木が Qualified Flyer だったという話は聞いたことがないので、これも良しかなと思っています。(なにを言っているんだ>わたし)

まずはこのまま訓練を継続し、夜間飛行の認証をとることを考えています。

 サン・テグジュペリの時代とは違って計器や支援設備も発達していますから、夜間飛行のおいしいところだけをいただくことができそうです。あとの時代に生まれたものはこの点で有利ですね。夜間飛行の認証を取ることができたら、続けて事業用操縦士の訓練を開始する予定です。(仕事の量をかんがえて、回転翼(ヘリコプター)に転向することも少し考えています。)



[目次]
『始祖鳥、肩たたきにあう』
1998年8月2日執筆

例によって、ハグレー公園のエイボン川沿いのベンチに座ってマガモを観察していたところ、わたしのとなりに老夫妻とその孫と思しき家族連れがやってきて、袋からパンを取り出し、カモに与えはじめました。厳密にいえば野鳥に餌を与えるのは感心できないことなのですが、ほほえましい光景でもあります。
 間髪を入れず、周囲のカモがいっせいに集まってきました。

   となりのベンチに座っていたわたしも十数羽にロックオンされました。
 『ヒトが椅子に座っている→食べるものをもらえる』という条件反射経路ができてしまっているようです。ズボンのすそを引っ張るやつもいます。じっとわたしの顔をみあげるものもいます。

   『ごめんよう、餌は持っていないんだよう』
 白状すると、実はわたしはこういうプレッシャーに弱いのです。

 こうなると、こやつらはカモというよりはもはやアヒルのようですが、もとよりアヒルはマガモを家禽化したものなので、餌付けされたならアヒルに近い行動を取るのは道理にかなっているといえなくもありません。
 ――というようなことを考えていると、突然、後ろから肩をたたかれました。
 ふりかえると、ちょうど肩の高さにある土手から、オスのマガモが愛敬を振りまいていました。


始祖鳥の肩を叩いたマガモ

数日前からニュージーランドの南海に低気圧が居据わっています。
 3日前のフライトチェックのときに、わたしをやきもきさせたのと同じ低気圧です。
 こやつがえらそうに前線をいくつもはやしているおかげで、飛ぶことができずにたいへん困っています。
 ええい、この低気圧、どっかに行っちまいやがれえ。



[目次]
『はじめての夜間飛行』
1998年8月3日執筆

海野さんお祝いのお言葉、ありがとうございます。

 『おめでとオフ』とは、参加者全員で主賓を取りかこんで、『おめでとう、おめでとう』とやるオフなのでしょうか。すてきです。(*^^*)
 ――某アニメネタはともかく、お誘いありがとうございます。ぜひ酒席をご一緒させてください。

 日本は飛ぶための制約が多く、コストもニュージーランドの5倍(!)はかかるため、国内で飛ぶことはいまだ決めかねていますが、その機会には真っ先にご連絡させていただきます。(^-^)

 北海道に行かれた際に、デモステネスさんに、始祖鳥は『ご無沙汰のほど、平にご容赦を』と申していたとお伝えいただけませんでしょうか。(^^; それから、ホームページをつくられることがありましたら、ぜひご一報ください、とお伝えいただければさいわいです。

 北海道に行く話といえば、北海道の物置に単車が凍結してあるのです。日本での交通手段なのでありますが、仕事を再開する前に、雪が振る前になんとかしたいです。

luna さん日記からの話題です。

 『サイドブレーキ戻し忘れ』ですが、わたしもよく失敗します。今乗っている車は悲しくなるほど馬力がないので、走り出してから明らかに加速が鈍いことで否応なく気づかされるのですが、性能の良い車になると、サイドブレーキごときはものともせずに走ってしまうということでしょうか。うらやましいです。(^^;

 ブレーキにも問題がなかったようで、よかったですね。

ぴか さん日記からの話題です。

 例のカレー事件ですが、砒素が検出されたのですか。驚きました。
 『砒素』という言葉は、権謀術数のめぐる中世のヨーロッパを想起させますが、言いかえれば、現在はほとんど使われていない毒物ということでもありますね。わざわざ2種類の毒物を使っているところをみると、犯人は人体実験でも試みたのでしょうか。
 まったく物騒な世の中です。

昨日の日記での丁重なお願いが功を奏したのか、低気圧は東に抜けてくれたおかげで、今日は初めて夜間飛行の訓練をすることができました。風も微風、雲はなく、頭上には薄い天の川がかかっています。
 上空からのクライストチャーチの灯はとてもすてきです。カメラを持ってこなかったことを悔やみましたが、持ってきたところでわたしのカメラの性能では無理そうなことに気づき、苦笑します。このあと、東の海上に抜けて、夜間での機動を訓練しました。海面に散らばる半月のかけらが、きれいでした。

 ただ、着陸寸前の高度の見切りには難渋しました。
 ギャビン・ライアルの『もっとも危険なゲーム』のクライマックスに、主人公が、単発水上機で深夜の(しかも霧のかかった)湖に着陸するシーンがあるのですが、主人公はこんな気持ちだったのだろうかと、ふと思いました。(^^;

 軽飛行機の着陸では、地上1mくらいのところで滑空し、フレアをかけつつ十分に減速してから機体を接地させるのですが、この『地面すれすれの高度』を左右の滑走路の誘導灯から判断しなければなりません。『地面すれすれの高度』ではあまりに低すぎて、着陸灯が見えないのです。つまり、『正面を見ながら同時に左右の誘導灯を見る』ことを要求されます。
 都合3回着陸したのですが、どれも満足できる着陸ではありませんでした。機体を着陸させるだけならできる自信はありますが、予期せぬタイミングで『べたっ』と接地するのはパイロットの端くれとしてとても悔しいことです。

 夜間の着陸がうまくできるようになるためには、さらなる精進が必要です。



[目次]
『気がついてみると』
1998年8月4日執筆

あしたは誕生日でした。
 1998年8月5日をもって1億5000万30歳(笑)を迎えることになります。1億5000万20代は短かったような、長かったような、なんだかよくわかりません。

 とりあえずあしたは、昼食と夕食に好物のケンタッキーフライドチキンとフィッシュアンドチップスを満腹するまで食べて、記念にしようかと思っています。

 なんて安上がりなわたし。(^^;



[目次]
『今日は誕生日』
1998年8月5日執筆

今日が誕生日であることは周囲には秘密にしています。  この前、フライトチェック合格でパーティ(飲み会)を開いてもらった手前、言い出しにくいということもあります。(^^;

 そういうわけで、ケンタッキーフライドチキンを食べました。じつに脈絡のない日記です。



[目次]
『夜間飛行訓練は中止』
1998年8月6日執筆

一歩さんお祝いをありがとうございます。
 一歩さんは8月2日生まれだったのですね。おくればせながら、誕生日おめでとうございます。

6月12日luna さん
8月2日一歩さん
8月5日始祖鳥
11月29日ぴか さん
海野さん

 海野さんの誕生日がわかりません。
 根拠はありませんが、なんとなく冬生まれのような気がします。

ぴか さんお祝いをありがとうございます。

 たしかに十進数にとらわれる必然性はまったくないですね。
 これにこだわることは、『交通事故の犠牲者を10000人以下におさえよう』的に滑稽な気がしてきました。
 交通事故による犠牲者は少なければ少ないほどいいはずで、1万という数の必然性はなにか、そもそもこの数はどこからでてきたのか興味があります。経済学的に見て顕著な影響があらわれる基準点か、社会学的な意味でシステムに変調をきたす臨界点といった説明があれば納得できるのですが、この数字の根拠はどの辺にあるのかすこし不思議です。

 こういうスローガンが登場するということは、交通行政の根底に、ホームページの『祝・10000アクセス達成』と同じ発想があるということなのでしょうか。

今日の夜間飛行訓練は悪天候で中止になってしまいました。
 残念です。



[目次]
『いまワナカにいます』
1998年8月7日執筆

今、ワナカの知人宅でこの日記を書いています。
午前9時にクライストチャーチを出発してワナカに着いたのは4時近く、行程500kmの道のりでした。

 今回のワナカ訪問は、E-MAILでご質問のメールをいただいたのがきっかけでした。先月末に知人の使っているプロバイダが接続設定を大幅に変えたため接続スクリプトが不要になったり、プライマリ・セカンダリDNSのパラメータが変わったりしたのです。)E-MAILで変更方法をお知らせしたのですが、電話で『接続できない』という連絡をいただき、急遽週末を利用してワナカを訪問することにしました。

 知人のコンピュータですが、IDとパスワードを接続ダイアログに入力したところ、あっさり稼動しました。なぜ接続できなかったのか原因は不明ですが、これで問題はひとつ解決です。

 明日は、知人の会社のコンピュータを修理する予定です。

クライストチャーチ発が今月の23日ですから、あと2週間しかありません。
 今回の滞在で最後のワナカ訪問になるかもしれません。
 知人たちにあっておきたいですし、戦闘機博物館も訪問したいです。



[目次]
『腕時計のはなし』
1998年8月8日執筆

luna さん誕生日のお祝い、ありがとうございます。

 無為でも、有為でも、やはり時間は過ぎていくのですね。
 生き物として限られた時間の中でできるだけのことをすべきであると思う反面、肩肘を張っていても疲れるだけで、ほんとうに必要なときにこそ頑張ればいいのだという考えにも説得力を感じることがあります。ならば、その中間がいいのかというと、それもまた正しくもあると思う反面、中途半端はよくないような気もします。

 結局のところ、どの生きかたが良い生きかたなのかは、よくわからないままです。

詳しい話を聞いてみたところ、知人の会社のコンピュータの問題とは、インストールされた日本語システムが動かなくなったということでした。

 ハードディスクを調べてみると、日本語のDOSがディレクトリごと消されていました。(^^;
 そこでDOSを復旧したところ、今度は日本語版WINDOWS3.1のシステムが壊れていました。(^^;
 WINDOWS3.1をまるごと入れ直しすることになり、SCANDISKと環境の復元、動作チェックも含めてまる一日を費やすことになってしまいました。日本語版MS-WORDもディレクトリごと消されていることが判明したので、明日はこれを入れ直しです。

静電気発生で腕時計がリセットされてしまいました。それも一日に二回もです。

 ノーメックス地の登山用シャツを愛用しているのですが、ワナカが乾燥していること、寒いことから静電気が発生しやすくなっているようです。以前愛用していた腕時計はこんなことはなかったのに。(;_;)

 それにしてもこの腕時計を買ったのは失敗でした。
 温度計と気圧計がついているところから、飛行機での使用に適しているかと思ったのが購入の動機でした。気圧と温度は飛行機の離陸にとって重要な要素なので、これを計測できることは非常に便利だと思ったのです。

 、温度計は腕につけている状態では、役にたたないことが買ってすぐに判明しました。外気温に関わりなく常に摂氏32度のあたりを指し示すのです。たしかに説明書を読むと、『腕に巻いた状態では温度が正常に測定できません』ということが書かれているので、これはいわゆる『仕様』と思われますが、それにしても腕時計を腕に巻いて使えないというのは納得いきません。

 そして、気圧計のほうですが、これも役にたたないことが判明してしまいました。
 空港のATISと比較してみると、良好な状態で5hpa、ひどいときには10hpaは高いところを指示しています。1ヘクトパスカルの変化は(対流圏内では)30フィートの高度変化に匹敵しますから、これは看過できない誤差です。それでも誤差が一定していれば問題ないのですが、そのときによって誤差がてんでばらばらなので補正もできません。

 温度計はともかく、少なくとも気圧計の狂いは『仕様』ではないと思うので修理したいのですが、帰った時点でちょうど保証期間が切れてしまうのです。

 ええい、このメーカーの時計は二度と買わんぞ。
 ――いや、プリンタは買うかもしれません。ちょっと弱気です。(^^;



[目次]
『今日でワナカ滞在は終了』
1998年8月9日執筆

昨日に引き続き、知人の会社のコンピュータの設定で一日を終えました。

 MS-WORD5.0の入れ直し、日本語でE-MAILを送受信できるように、WINDOWS3.1用のインターネットエクスプローラ(3.02日本語)をインストールし、プロバイダ、TCP/IPの設定を(パスワードなど不明な点をのぞいて)完了しました。自分のプロバイダとアカウントで動作チェックはしましたから、あとは会社の契約しているプロバイダの設定を入れるだけでOKのはずです。

 ついでに頼まれていた日本語システム取り扱い説明のドキュメントを仕上げました。ドキュメントと言うにはあまりにもささやかな手書きのプリミティヴなものですが、日本語システムの起動、終了、FEPの使いかた、WORDの起動、終了、文書を開き保存する方法などについて書きました。

 一日を費やしてしまいました。設定よりも動作チェックに時間がかかるのは世の常ですね。

 ワナカの数日間は終始コンピュータの設定で終わってしまいましたが、お世話になった知人の用事なので、お役に立てただけでも良かったかなと思っています。(^^;



[目次]
『無事到着』
1998年8月10日執筆

ワナカから帰ってきました。

 ワナカの知人に頼まれた書類を途中のレイク・テカポの知人に届けたのち、20kmばかり走ったところで、車がスローダウンして止まってしまいました。オーバーヒートのようです。しばらく待ってから再始動すると、エンジンは無事始動しました。

 念のため、エンジンが良く冷えるように暖房ファンを入れて、窓を全開にしながら走行し、飛行機の夜間飛行訓練開始時刻の午後6時前に、無事クライストチャーチ空港に到着しました。

 雨が降っていましたが、雲は十分な高さがあったので、夜間飛行訓練をおこなうことができました。夜間の着陸にだいぶ慣熟できたような気がします。

 それから飛行機の免許証が届いていました。

 今日はほんとうにいろいろなことがあった一日でした。



[目次]
『競走的共存』
1998年8月11日執筆

一歩さん日記からの話題です。

 おお、『サイエンス・アイ』がわたしの日記のネタをパクっていたようですね。(笑)

 4原色の話は2月21日4月3日の日記で話題にしていますし、ホメオボックス(異なる系統の生物が共通に持っている、そして近い働きをする遺伝子群)のお話は6月26日7月26日の日記で、少しですが触れています。えへへ。

 ――と思ったら、まだ『競走的共存』について書いていなかったことに気づきました。
 今回はこれについて話題にしようと思います。

『競走的共存』といわれて連想するのが、メイナード・スミスのEMS理論です。  ある生物集団中に、『徹底的に攻撃する』タカ派と、『戦わずに決着をつける』ハト派がいるとします。一見すると、お人好しのハト派は、次第に淘汰され、最後には『強い』タカ派だけが残るように思えますが、事実はかならずしもそうとは言えないようです。

 例えば、ある集団の個体がタカ派ばかりになるということは、個体にとっての競走相手の多くがタカ派となることです。こういう状況下では、タカ派同士が戦って傷つくため、集団中でタカ派の受ける損害は大きくなります。一方、ハト派は小さな損害は受けても、傷ついたり死んだりする大きな損害は被りませんから、こういう状況ではハト派は勢力を伸ばしていきます。

 逆にハト派ばかりの集団にタカ派がまぎれこんだ場合、競争相手はほとんどハト派となりますから、タカ派は常に勝利をおさめることになり、集団中でのタカ派は増えていくことになります。

 『淘汰』というのは非常に誤解されやすい概念ですが、これは必ずしも『弱肉強食』を意味するものではないということですね。



[目次]
『達成目標としての数字』
1998年8月12日執筆

ぴか さん日記からの話題です。

 人命に関わることについて、根拠薄弱と見える数値を達成目標とすることに、わたしは感覚的に違和感を覚えたのですが、よく考えてみると『数字のきりの良さ』による達成目標を人命に適用して不都合ということはないですね。また、軍隊(戦争)もこの論理で動いていることに気づかされます。(『最小の損害で最大の戦果を得る』という言葉の『損害』には人命が含まれます。)

 この意味で、「交通事故の死者を1万人におさえよう」というスローガンは有効な施策かもしれませんが、この種の考えかた、死者数をホームページのカウンタ的にとらえる思考法には、やはり違和感を感じてしまいます。

一歩さん日記からの話題です。

 この日記の更新途絶をご心配いただき、もうしわけありません。
 宿を引っ越したこと、日本行き間際でばたばたしていること、そして夜間飛行のレイティング(飛行許可)をとる訓練をしていることで、日記の更新がとどこおってしまいました。
 ごめんなさい。

 墜落と聞いておもいだすのが、わたしの好きな小説の一節です。

 というわけで、わたしも墜落はしないことにしていますので、ご安心ください。(^-^)

そうそう、これは昨日聞いて驚いたのですが、先の金曜日に、わたしのインストラクターが不時着したそうです。『ZK-CUW』機(わたしがフライトチェックで使った機体)で低空飛行訓練中に突然エンジンが停止したとのことですが、そこはわたしの師匠、完璧な不時着をしたので、同乗していた訓練生も無傷でした。ただ、飛行機のほうは牧場の柵の杭に右側の主翼をヒットしてしまい、修理のため工場行きとなってしまいましたが、翼の前縁が少しへこんだほかは異常はなく、軽修理で済んだそうです。
 原因は悪天候によるキャブレターのアイシング(氷結)ではないかとのことでした。

 エンジンが停止しても、ある程度の高度さえあれば、飛行機を傷めずに降ろせる自信はありますし(そうでなければフライトチェックにはパスしません)、そのための訓練もつんでいますが、500フィートAGL(高度160メートル)以下の低高度でエンジン停止にあうのは嫌ですね。
 わたしのインストラクターはうまく対処できたものの、わたしが同じ状況に遭遇したとき、必要な手段を講じる余裕があったかどうか、少し不安です。(^^;

 わたし個人で飛ぶときには、なるべく高度に余裕を持って飛ぶようにするつもりです。

luna さん日記からの話題です。

 件の小説に登場する鳥類学者、ウィザビイ、カワード、モリス、エバンズが実在するかどうかについてですが、ごめんなさい。ちょっと心当たりがありません。

 『SCIENTISTS BIOGRAPHY』を繰ってみたのですが、ご指摘の名前は見つかりませんでした。もっとも、生物学関係は、オーデュポンやコンラート・ローレンツ、ニコ・ティンベルゲンのような大物しか網羅していないのかもしれません。(鳥類学者の大半はアマチュアなのです。)

 上記のうち、エバンズという名前は鳥類学の論文雑誌で見かけたのですが、作中の鳥類学者と同一人物かどうかはわかりません。
 また、腕足類の研究、大森貝塚の発見で有名なエドワード・モースの叔父が鳥類学者だったという話を耳にしたことがあるのですが、ご指摘のモリスとは綴りが違うような気もします。

 お役に立てなくて、もうしわけありません。



[目次]
『あと10日』
1998年8月13日執筆

今日も夜間飛行訓練をおこないました。

 ニュージーランド滞在も、残すところ10日になってしまいました。夜間飛行訓練、引越しや後始末などで、あわただしい日々を過ごしています。

 ここのところ、落ち着いて日記を書く時間と空間を確保できないのと、電話線を自由に使えないことで、更新がとどこおってしまっています。
 当地読者のみなさん、ごめんなさい。



[目次]
『隙間風は骨身にこたえる』
1998年8月14日執筆

今日ははじめての夜間単独飛行でした。  同乗のインストラクターを空港ターミナルで降ろし、再出発したのですが、離陸直後から、機内に猛烈な風が吹き込んで驚きました。この段階でドアを完全に閉めないままロックしていたことに気づきましたが、時すでに遅し。
 上空では風圧のため、ドア上部が吹き上げられ、うまくロックできません。天才パイロット、セクシミリアン・ジーナス(何者だよ>始祖鳥)としたことがなんたる失態でありましょうか。とはいえ、飛行そのものには影響はないし、この程度の障害なら操作にも問題はないので、そのまま飛んでしまいました。

 というわけで、はじめての単独夜間飛行は、機内に強風荒れ狂うオープン・コックピット状態でおこなうことになってしまいました。

 寒かったよう。

【教訓】飛行前には、ドアがきちんと閉まっていることを確認しよう。



[目次]
『またも引越し』
1998年8月15日執筆

今日、前に住んでいた住居に引越しました。
 今朝、大家さんから部屋に空きができたという話を聞いて、帰国までの1週間だけ入居することになりました。
 荷物をすきなだけひろげられるというのはありがたいものです。

 しかし、まさかもと住んでいた住居で日記を書くことになるとは、昨日の夜にはまったく予想もしていませんでした。
 変節はいつも突然にやってきます。

夜間単独飛行の時間が規定の時間に足りないため、時間を稼ぐためにカテドラル上空を40分間も周回していました。よそにナビゲーションで飛んでいっても良かったのですが、そこまでの度胸がなかったのです。(^^;

 晴れてインストラクターのチェックを通り、夜間飛行のレーティングを貰えることになりました。嬉しいです。



[目次]
『久しぶりのアップロード』
1998年8月16日執筆

今日、一週間近くチェックしていなかったメールボックスを開いてメールの数に腰を抜かしました。嬉しいです。(*^^*)
 メールをくださったみなさん、すみません。今日から2日以内に必ずお返事します。



[目次]
『ヒューマニズム一考』
1998年8月17日執筆

『始祖鳥伝言板』について、『掲示板だと思って書き込んだ』というご指摘のメールをいただきました。
 たしかに『~伝言板』というタイトルは、掲示板とまぎらわしいかもしれないですね。混乱された読者のかたも多いことでしょう。もうしわけありませんでした。

 いっそのこと本当に掲示板にさしかえてみようかと思いましたが、今の状態であたらしいことをはじめた場合、収拾がつかなくなるのは火を見るよりもあきらかなので、日本に行ってからの課題ですね。

一歩さんの、日記共同体のあたらしいアオリはとてもすてきです。
 およびとあらば、即、参上。
 誰がなんと言おうとも、明日は全てうまくいくさ。

ぴか さん日記からの話題です。

 本来、絶対的な価値によってはかられるべきもの、破壊に対して不可逆なものはいくらでもあるのに、なぜ人命が切り離して考えられるのか。なぜ人命は大切なのか。
 ほかの動物の生命に、なぜ人命が優先するのか。ヒトとほかの動物をわけへだてる特徴とはどこにあるのでしょう。
 ヒトの知能が優れているからだとするのなら、成獣のチンパンジーを救うために、乳児や痴呆老人を犠牲にしてもいいということになります。

 人命が優先され、人殺しが悪だとされるのは、それを容認した場合、ヒト同士の相互扶助のシステムが根底から崩れてしまうからでありましょう。他者が殺されることを容認することは、自分も相互扶助システムの庇護を受けられないという意味で、個体それぞれにとっても不利益なことです。(逆にいえば、相互扶助システム――社会の意にそったかたちの人殺しは、社会的悪ではないということでもあり、死刑や戦争はその一例ともいえます。)

 結局、ヒトとほかの動物をわけへだてる明確な根拠はなく、単に『ヒトがヒトであるから』ということに行き着くわけですが、そうなると、『人間』の基準となにかということが問題になってきます。ヒトとしてのアイデンティティが脳にあるのなら、脳細胞一個、シナプス一本が人間の最小要素となるはずなのですが、それにもわたしは違和感があります。そこはかとなくSF的なテーマです。

海野さん誕生日のお祝いのお言葉、ありがとうございます。m(__)m



[目次]
『費用対効果』
1998年8月18日執筆

一歩さん日記からの話題です。

 複雑な機構というものは作ることにも維持をするのにも手間が掛かります。技術的に可能でも、経済的におりあわなければ採用するメリットはないわけですね。『工賃』も『材料費』もただではありません。無から有は生まれることはなく、そこにはエネルギーと材料が必要です。また、機構が複雑になると同時に、故障する箇所も増えるのはいうまでもないことでしょう。

 低回転で最高出力を発揮すべきトラクターに、DOHCを搭載するのはまったくのオーバークオリティというものです。そんなところに費やすコストがあるのなら、操作性を良くして作業効率をあげるほうが、トラクターとしての評価は向上するはずです。

 洞窟や濁った水の中には眼の退化した動物も数多いですが、かれらは遺伝子上にPax-6(眼をつくる遺伝子群)を保持しています。発生過程で一度眼のかたちを発生させながら、それをアポトーシスさせるものもいます。
 さて、ここで『眼をつくることができるポテンシャルがあるのに、なぜそれを発現させないのだ』という疑問がでてきます。答えは『必要ないから』です。
必要のない器官に資源を注ぎ込むのことは生存能力の低下につながりますし、余分な資源があるのなら、それをもっと有効な工夫に使ったほうがわりがいいわけです。

 サメのおこなった工夫のひとつは、嗅覚の強化です。 古生代のサメは普通の魚のように口が前方についていますが、時代を経るにしたがって口は下面に潜っていき、現代のサメのようなとがった巨大な鼻を持つようになります。サメの進化は、鼻の進化の歴史といっても良いくらいのものでもあります。

 また、もうひとつの工夫が卵胎生の獲得です。ある種のサメの仲間は完全な体内受精を実現しており、交尾をするための生殖器(交接器)まで持っています。これは、サメやエイの仲間を除いては、脊椎動物の系統において、爬虫類以降でようやく出現する特徴なのです。

 サメは軟骨だからといって、『下等』なわけでも、魚としての能力が劣っているわけでもありません。むしろ硬骨魚類と並行して進化してきた姉妹グループと考えるのが妥当ではないかとわたしは思っているのですが、いかがでしょうか。

 『下等』『高等』というのは、どこに着目するかで変わってきます。  知能ならぬ『情報処理能力』を基準にして考えれば、コンピュータは飛行機よりもすぐれた機械であるということになりますが、これはナンセンスなことですね。
 手は足よりも優れているかという論に近いかもしれません。

飛行機でカイコウラまで行ってきました。

 クライストチャーチ-カイコウラ-カルバーデン-ランギオラ-クライストチャーチ

 という道筋だったのですが、途中からは天候が悪化し、雲を避けながらのフライトになりました。

 同乗者によると、わたしは『豪雨、暴風の荒れたコンディションのなか、すごく楽しそうに飛行機を飛ばしていた』とのことでした。自覚はなかったのですが、同乗者が取ってくれた写真を見ると、たしかにしあわせそうに見えます。ううむ。



[目次]
『日帰り480km』
1998年8月19日執筆

所用で、240km離れたレイク・テカポまで、日帰りで行ってきました。

 あさ9時に出発し、着いたのはお昼前。
 明るいうちに帰るべく、午後3時に取って返し、CHCHに着いたのは午後6時。
 ろくにスピードの出ない、今にも死にそうな車で、行程480km。
 ばたんきゅー。



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『帰国パーティ』
1998年8月20日執筆

わたしの通っていた飛行学校の皆さんが、インド料理店で帰国パーティを開いてくれました。

 いろいろな話を聞けてとても楽しかったです。
 飛行機をアメリカからニュージーランドまでフェリーする話には腰を抜かしました。
 キャプテンシートを除くすべての座席をとりはらい、そこに巨大なコンテナのようなアルミ製の燃料タンクを備えつけ、航続距離を稼ぐのだと聞きました。西海岸からホノルルまでの行程が海上飛行で18時間かけて飛ぶのだそうです。
 たしかにこれを考えるのなら、自分の操縦する軽飛行機で、ニュージーランドから日本に行くというのは可能かもしれません。
 ほかにもいろいろおもしろい話を聞いたのですが、なぜか思い出せません。(^^;

 『リトル・インディア』は、カレーもさることながら、ワインがとてもおいしかったので、帰るなりそのまま寝袋直行とあいなりました。

 またしても ばたんきゅー。



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『強風の日』
1998年8月21日執筆

風速15kt、25ktの突風のなか、訓練領域を飛んで来ました。

 強い横風状況下での離着陸を訓練しました。
 コンセントレーションの関係か、わたしの場合は多少条件が悪いほうがきれいに飛べるようです。



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『CHCHの夜』
1998年8月22日執筆

今日は絶好の飛行びよりでした。
 今回の滞在で、最後の飛行をしてきました。

さっきまで家の中庭でぼんやりと夜の空をみあげていました。
 いつもよりも数多い星をいぶかりつつ、今日は新月だったことに思いあたりました。

 必ず、もういちどこの空の下に帰ってくるぞ。

 明日は9時過ぎに出発です。



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『飛行機の中で』
1998年8月23日執筆

いま、飛行機のなかでこの日記を書いています。  時刻はちょうど0700UTC、シンガポールまであと5時間です。  0018UTCにレイク・テカポ、0547UTCにエアーズ・ロック、そのすこしあとにマウント・オルガを肉眼で確認しました。窓越しに撮影したので、うまく写っているかどうかはわかりませんが、フイルムを現像するのが楽しみです。

今朝は、クライストチャーチ空港のランウェイ02からの離陸でした。
 勝手知ったる空域なので、窓の外を見てもどこをどう飛んでいるのかが手に取るようにわかって愉快です。
 自分で操縦桿をにぎって同じ滑走路を飛んでいたことを思うと、不思議な気がしました。



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『仙台に到着』
1998年8月24日執筆

朝一番(2300UTC前後)に、エアバス・インダストリー・A310の操縦席をみせてもらいました。
 やはりC172やPA28-140とは複雑さがちがいますが、やはり同じ系統の乗り物であることを実感できます。

 窓の外をみると、飛行機は名古屋上空から富士山にさしかかるところでした。

仙台空港に到着したのは9時過ぎでした。
 税関では、通る人ひとりひとりの荷物を開けさせていました。
 いままで(成田で)荷物を開けさせられたことはなかったので意外でした。仙台の税関はひまなのでしょう。(ひどいやつ>始祖鳥)
 空港の建物を出ると同時に、ドライヤーの熱風をあびているような錯覚に襲われました。すっかり暑さに弱くなってしまったようです。

空港から街に向かうバスのなかから、ぼんやりと窓の外を眺めていました。

 町並みのアジア的猥雑さが新鮮です。無機質で無秩序なビル街と『おでん』の文字のとりあわせ、道路に沿って網の目のようにはられた電線、高い位置に配置された大型車本位の信号機も、おそらくは煙草の吸い殻だらけで、路面には噛み潰されたチューインガムがこびりついているであろう狭い歩道も――駐輪された自転車によってますます狭くなっているのですが――まぎれもなく日本のそれです。

 猥雑で、無秩序で、しかし活力とモノにあふれる世界に来たことを実感します。

 ――わたしは、帰ってきたのですね。

 仙台市内に着いたのは11時近くでした。CHCHから都合30時間近くかかった計算です。

妹のコンピュータに、おみやげのフランス語学習ソフト(英語版)をインストールしました。

 このソフトは、コンピュータのマイクに向かって話すことで、発音の評価をしてくれる機能があるのです。要はカラオケの採点機のようなものですね。
 とてもおもしろいです。(^-^)

 フランス語の発音勝負で、わたしは妹におおむね勝利をおさめました。
 うはははは。



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『冷たい方程式』
1998年8月25日執筆

ぴか さんこの世はSFの第十一話からの話題です。

 人命を至上のものとしてとらえるヒューマニズムとは、おそらくは『同種間の相互扶助』から発展した思想だと思います。哲学、倫理、宗教の世界のものであって、論理的裏付けはない概念です。

 『冷たい方程式』ではありませんが、(人工のものも含む)生態系が養える人数を超えてしまった場合、だれかに死んでもらうしかありません。それはわたしたち自身かもしれませんし、わたしたちにとって大切なひとたちかもしれないことを考えると、こんなことを言えるひとはまずいないでしょう。(こういうことを言い出すひとこそ死んでもらいたくもあります。)

 いま生きているひとびとに『死ね』と言えない以上、産児制限をおこなうしか人口抑制の手段はありません。しかし、第三世界の人口が急増しているのは、社会構造上、無償の労働力としての子供を必要としているからであることを考えると、社会構造そのものを見直さないかぎり、人口増加は止まることがないでしょう。

 『人類は宇宙に進出すべきだ』という意見もありますが、宇宙ステーションのようなそれほど大きくない閉鎖系内に、ヒトのような巨大な生物を含む循環系をつくることは、よほどの技術革新がない限り難しそうです。わたしたちは生物起源の材料しか摂取できない以上、食物は既存の生態系から得るしかありません。

 わたしたちは自ら生み出したヒューマニズムという大蛇に縊り殺され、滅びるのかもしれませんね。



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『クラスタの破損を発見』
1998年8月26日執筆

妹のコンピュータ(COMPAQ CDS520)のハードディスクをSCANDISKで検査したところ、数十ものクラスタが物理的に破壊されていました。

 かなり前に買ったコンピュータなので、そろそろハードディスクの換装が必要かもしれません。

ふと気づいたのですが、ウエディングシンガーとシャイニングフィンガーは発音が似ています。



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『アップデート不能』
1998年8月27日執筆

外のサーバからではVOYAGERのFTPにログインできないらしいことが判明しました。

 なんてことだ。
 止むを得ず、コンテンツをNIFTYに移転です。

飛行機の免許の書き換えのため、明日は東京に行ってきます。

 日本国内で飛ぶことはあまり考えていないのですが、仕事が始まってからでは平日に休みを取ることは難しそうなので、明日行くことに決めました。

 仕事が始まる前といえば、北海道にバイクをとりにいかなければなりません。
 台風が通過するのを待っています。



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『東京行きギブアップ』
1998年8月28日執筆

朝起きてみると、福島、栃木、茨城が大変なことになっていました。

 所用+X(こちらのほうが大きな理由であった)で東京に行く予定だったのですが、草々にギブアップです。
 ううむ、残念。
 結局、資料の整理、そして1年分溜まったナショナル・ジオグラフィックを消化する一日となりました。

 『日本語版』は英語版とほとんど同一の内容であることをあらためて再確認しました。(^^;



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『飲み会でした』
1998年8月29日執筆

今日は、仙台在住の知人と飲み会+カラオケでした。

 みんな変わりなく元気でした。
 懐かしさと、楽しさと、精神的真空状態の入り交じった感覚を覚えつつ、あっという間に時間がたってしまっていました。

 楽しかったな。



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『フランス製のヘリコプター』
1998年8月30日執筆

『始祖鳥の生痕』向けに『七つの海のティコ』の資料をあたっていたのですが、劇中でシェリルの乗っていたピンク色のヘリコプターは『アエロスパシアル・ガゼル』なのだそうです。
 うっそだあー。
 どう見ても、そうは見えないよう。(;_;)

そういえば、フランスのヘリコプターはテイルローターの回転方向が他国のものと逆だとかで、フットバーを踏んだほうと反対方向に機種を振るのだと聞きます。
 フランスめ。

 逆周りといえば、イギリス製のエンジンはコクピットから見て反時計回りに回転します。他の国のエンジンは操縦席から見て時計回りですから(※1)、ジャイロモーメント効果も逆になるというわけで、フルスロットルで上昇中は左ラダーを踏み込むということなのでしょうか。なんだか不思議です。
 でも、イギリスは許します。

【注釈】
※1 逆回転のエンジン
 アメリカ製のエンジン、たとえばアブコ・ライカミングにも逆向き回転のエンジンはあります。これは双発機用につくられたもので、両翼のプロペラを反対方向に回してジャイロ・モーメント効果を相殺するためのものです。しかし、単発機のエンジンは操縦席から見て時計回りとするのが慣例です。



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『翼の長さと生息環境』
1998年8月31日執筆

生き物地球紀行で鳥島のアホウドリを特集していました。

 放映内容そっちのけで、アホウドリはあの長大な翼をどうやってたたむのか――翼の格納方法に違いがあるのかに注目していたのですが、なんのことはない、普通の鳥と同じたたみかたでした。(^^; ただ、ひじが普通のトリよりも後ろのほう――ほとんど尾と接触するようなところまできます。

 アホウドリの雛を撮影したカットで『翼はまだ短い』とナレーションがはいりましたが、どうしてどうして、あれほど『翼の長い』雛ははじめて見ました。さすがはアホウドリの雛だと妙なところで感心しました。

同じ翼面積なら細長い翼のほうが誘導抵抗が少なくなります。グライダーの翼が細長いのは、自転車のロードレーサーのタイヤが細いのと同様、誘導抵抗を減らすためですね。  長い翼の先端が細くなるのは肩にかかる曲げモーメントを減らすためで、多くの海鳥や広い空間を飛びまわるツバメなどの翼は、先のとがった細長い翼を持っています。

 それに対して短く太い翼は失速特性が良くなるのだと言われています。大きな迎え角でも失速しにくいということは乱流に強いということでもあり、障害物や、気流が激変することの多い陸上ではこの方が有利だということなのでしょう。

 ちなみに、私の乗っていたPA28-140やC172は、短く太い翼を持った飛行機でした。どうやらわたしは陸鳥のようです。(^^;


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