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【始祖鳥の頭骨レプリカ】始祖鳥頭骨の博物館向けレプリカ(ダイノレックス社製)を入手しました。 このレプリカは、上野の国立科学博物館ではディノニクスの頭骨レプリカと並んで展示されていたのですが、両者は親子のごとくよく似ていました。ディノニクスと鳥の類似性から鳥類恐竜起源説を復活させたオストロム博士になった気分です。もっとも、オストロム博士が着想のヒントを得たのは、腕だけのテイラー標本なのですよね。(^^; とにかく、レプリカとはいえ、こういうものが手もとにあるのは嬉しいです。 どの標本のレプリカなのだろうと これについては購入するときに聞いてみたのですが、製造元に確かめるしかないとのことでした。(ラベルには『ゾルンホーヘン産(「ゾルンホーヘン標本」ではない)』とありましたが、ハールレム/テイラー標本を除くすべての始祖鳥化石はドイツのゾルンホーヘン周辺から発掘されているので、原型特定の手がかりとしては残念ながら役立ちません。) とはいっても、現在知られている始祖鳥の化石はわずか7体しかありませんから、消去法で考えてみます。まず、腕だけのハールレム標本(テイラー標本)ではありえません。マックスベルク標本は行方不明のうえにもともと頭部が欠落していましたからこれも違います。ゾルンホーヘン標本の頭骨の保存状態はあまり良くありませんし、顎部の欠けたロンドン標本もピンと来ません。解説を見る限り『Archaeopteryx lithographica』の頭骨ということでしたので、バイエルン標本でもなさそうです。(バイエルン標本をリトグラフィカとして解釈するなら別です。) 総合するとこのレプリカは、ベルリン標本か、あるいはアイヒシュテット標本のいずれかに原型を取ったものだと思うのですが、まだ確認していません。近いうちに問い合わせたいと思っています。
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