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【概要】2000年3月15日更新
1861年、一枚の羽毛化石が von Meyerによって記載されました。この標本は、その前年(1860年)にドイツのバイエルン、アルトミュール地方の石版岩(粘板岩)採掘場から発見されたもので、Archaeopteryx lithographicaと名づけられました。属名のアーカエオプテリクス(※3)はギリシア語で『古代の羽毛』、あるいは『古代の翼』という意味があります。(※2) <arkhaios (古代の:ギリシア語) + pteryx (翼、羽毛:ギリシア語)> そしてリトグラフィカという種名は、ゾルンホーヘン産の粘板岩は当時、リトグラフ(石版印刷)の材料として使われていたことに由来しています。 この羽毛の持ち主は、奇しくもその翌年後に正体が判明します。1861年、最初の完全な始祖鳥化石である『ロンドン標本(London specimen)』の発見です。この化石はまさにリトグラフ(印刷物)のごとく完璧な保存状態でした。 獣脚類風の骨格のまわりに、有無を言わさぬほどくっきりとした羽毛痕が浮き上がっています。今にいたるまで、これは中間型と呼ばれる化石のなかでももっとも有名なもののひとつではないでしょうか。 ゾルンホーヘン一帯は、始祖鳥の生息していた後期ジュラ紀・キンメリッジ期(約1億5000万年前)には潟湖(ラグーン)であったため、泥に沈んだ始祖鳥の体は他の生物の活動などによって分解されることもなく、そのまま化石になったのでしょう。羽毛一枚一枚さえも確認できる保存状態は、この『死の世界』のたまものとも言えます。 【注釈】 |