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【始祖鳥の大きさについて】

2000年5月20日更新

 始祖鳥の大きさについてはたいへん誤解が多いので、この項目では具体的なシルエットで比較してみることにしました。一番左はハシブトガラス、中央はキジバト、そして右端が始祖鳥です。
 始祖鳥については当地のロゴマークをそのまま流用したため、翼を開いた状態になっています。そのため比較イメージとしては適切を欠くのですが、始祖鳥に関しては翼をたたんだ状態を想像していただければさいわいです。

大きさの比較
 上図を見ていただければわかるとおり、始祖鳥の大きさを『カラス程度』と表現することが妥当かどうかについては疑問があります。上記そのままでカラスが翼を開いた場合、カラスと始祖鳥は大人と子供のように見えるはずです。カラスとは、たいへん大きな鳥なのです。
 現存する動物で始祖鳥と似たプロポーションをもった動物がいないため、その大きさを無理に現生のトリに当てはめてみた結果が『カラス』『ハト』という表記を生む原因となり、これが始祖鳥のサイズに関する誤解を生む原因になっているのではないでしょうか。プロポーションがまったく違う動物について、それぞれの大きさを比較するということは難しいものです。

【注釈】
※1 始祖鳥の大きさ
 文献によっては、始祖鳥の大きさを七面鳥大、あるいはニワトリ大と表記するものもあると聞くのですが、わたしはこれにはまったく賛成できません。始祖鳥からは、ケンタッキーフライドチキン2切れ分の肉すら取れないはずです。