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七つの海のティコ
登場人物の紹介

『七つの海のティコ』の登場人物を紹介するコーナーです。
なお、『かたよった紹介』についてはこちらにどうぞ。

ナナミ・シンプソン Nanami Simpson
(声:林原めぐみ)

 カリフォルニア州バークリー出身、4月14日生まれの、本作品の主人公。  3歳のときに母・洋子を事故で亡くし、4歳のときから父・スコットとペペロンチーノ号で七つの海を巡る旅をつづけている。
 作品中では11歳で、身長は120センチとすこし小柄だが、その潜水能力はヒトという種の究極に近い。シャチのティコとはともに育った姉妹のような関係にあり、離れているときにはシャチ笛を通してコミュニケートする。
 かわいい服にあこがれているが、筋金入りの恥ずかしがりや屋なので普段はラフな服しか着ることがない。
 明朗で元気あふれる、陽性のキャラクターである。しっかり者としての一面は、アルへのツッコミ役として発揮されることが多い。


ティコ Tico

 本作のタイトルともなっている、体長8メートル、体重7トンのシャチ。
 幼い頃に海岸にストランディング(座礁)したところをスコットに発見され、一命を取りとめた。いっしょに育ったナナミを妹のように思っているらしく、しばしばナナミに対してそういうそぶりを見せる。
 七つの海を航海するペペロンチーノ号とつかずはなれずの距離をたもちつつ、いっしょに泳いでいる。物語なかばでティコ・ジュニアを出産。
 ペペロンチーノ号クルーへの愛情はどこまでも強く深く、北極編ではそれゆえに……


スコット(スコット・シンプソン) Scot Simpson
(声:池田 秀一)

 カリフォルニア州カーディフ生まれ、身長187センチ、推定年齢は35~36歳。海洋生物学者にしてペペロンチーノ号の船長、そしてナナミの父親でもある。
 UCバークリー校で学士号を取得後、海洋生物の研究室に入る。しかし、実験室内のみでの研究に疑問を感じ、妻・洋子の死もきっかけになったのか、ナナミが4歳のときに研究室を辞し、フィールドワークのためペペロンチーノ号で出港する。航海のほんとうの目的はヒカリクジラを探索することにあったが、それに至った経緯やきっかけについては本編ではあかされていない。
 修士過程の中途で研究室を飛び出したため、肩書きこそ Bachelor(学士)のみだが、海棲哺乳類の行動生態学の分野で業績をあげている優秀な研究者である。
 寡黙でひとづきあいが苦手だが、オーストラリアの研究機関に勤務しているエリオットとは親友関係にあり、ナナミもエリオットの息子と会ったことがあるらしい。
 研究方法、手段については、独自の厳しいモラルを自分自身に課している。ジャック・ヒギンズ流の表現を使えば『卓越した研究者にして、ロマンチックな愚か者』で、強い意思を内にひめた、冒険小説の主人公にふさわしい男である。

※注:ファーストネームの綴りは『七つの海のティコ――真夏のマーメイド』『フイルムコミック 七つの海のティコ』の表記に準拠しています。


アル(アルフォンゾ・アンドレッティ) Alphonzo Andrettii
(声:緒方 賢一)

 シチリア島の出身。年齢は40歳前後。早いうちに両親をなくし、おばあちゃん子として育てられため、おばあちゃんには頭が上がらない。  (資料1)によると、ヨーロッパのとある港で、スコットと意気投合し、ペペロンチーノ号の一員となったらしい。ただしLDの映像特典では、ペペロンチーノ号の誕生に立ち会っている。
 操舵技術は神業にちかく、料理も上手く、家事一般もそつなくこなす、頼り甲斐のある海の男。機械に関してもエキスパートで、オーブンやシャワーはもちろん、ディーゼルエンジンの分解修理などはお手のもの、1万メートルまで潜水可能なスクイドボール2号は彼の設計・製作によるものである。設計思想を同じくするスクイドボールもかれの手によるものだと思われる。ただ、お金や宝に弱く、なおかつ商才がないのが玉にキズだろうか。

 トーマスについては、見こみのある弟子と思っており、しばしばスクイドボールで共同作業をおこなっている。


トーマス(トーマス・ルコント) Thomas LeConte
(声:松井 摩味)

 作品中では10歳。ペペロンチーノ号で最年少の乗組員。身長は121センチで、ナナミと同じく小柄である。父親のルコントは海洋生物学者で、かつてスコットと同じ研究室に所属していたことがあり、2年上の先輩にあたる。
 両親の別居後、母親とフロリダに住んでいたが、内向的な性格を心配され、海洋調査におもむく父ルコントのもとに航海期間だけの約束であずけられる。第2話に初登場、第6話で父のもとを離れ、ペペロンチーノ号の乗組員となった。アップル社のパワーブックを愛用するコンピュータのエキスパートであり、かれの技術は物語の要所でしばしば役に立っている。
 父親との関係はうまくいっていないが、これはお互いの愛情表現がぎこちないためで、かれは決して父を憎んでいるわけではない。いや、むしろファザコンの気さえあるかもしれない。(^^;
 バイタリティあふれる海の男であるアルを尊敬しており、自分もそうなりたいと思っている。物語後半ではアルの作業をサポートすることも多く、事実上の師弟関係にあったと思われる。

 内向的でひ弱に見える面もあるが、トゥッピアとのエピソードが示すように、トーマスはほんとうは克己心が強く勇気のある少年なのだ。


シェリル(シェリル・メルビル) Cheryl Melville
(声:水谷 優子)

 英国の石油資本・大財閥、メルビル家の令嬢。
 ランカシャー地方、ボルトン郊外の出身、13歳で母を亡くしている。
 夏休みのアメリカ旅行中、ホオジロザメの一件(第1話)でスコットたちに出会い、『冒険を求めて』執事ジェームズとともにペペロンチーノ号の乗組員となる。
 英国ケンフォード大学(^^;)経済学部に籍を置いているらしい。

 身長167センチ、8月10日生まれ、18歳。


ジェームズ・マッキンタイア(声:増岡 弘)

 メルビル家の執事。第2話でシェリルとともにペペロンチーノ号のクルーとなる。
 あらゆる歴史に通じ、伝統を重んじ、大英帝国製品に絶大な信頼をおく根っからの英国執事でもある。もちろん日に6回のお茶はかかさない。

 控えめで謙虚な態度、そして落ち込んだナナミたちに見せる心配りに胸があつくなります。いいひとです。(始祖鳥)


ルコント博士 Dr. LeConte (声:納谷 六朗)

 この作品に登場する、もうひとりの海洋生物学者で、トーマスの父親。  世界的な海洋生物学の権威で、世界的コングロメリット・GMCの依頼でトロンチウム探索の指揮をとっている。
 かつてスコットと同じ研究室に所属していたことがあり、2年上の先輩にあたる。スコットが学士号を取得したときにはすでに修士だったということだろうか。
 スコットのライバル的存在で、物語の最終話にまでかかわる重要なキャラクターであり、第1話のラストですでにその姿を見せている。

 察しのいい人なら、第2話のトーマスの落書きから、この2人の関係を見ぬいていたかもしれませんね。(始祖鳥)


ナターリャ・カミンスカヤ・ベネックス(声:川島 千代子)

 世界中の稀少鉱物資源を独占している多国籍コングロメリット・GMCの幹部。
 カミンスカヤというミドルネームからポーランド系と思われる。『スキー』ではなく『スカヤ』ときちんと女性形に活用しているあたりは、出自への帰属意識が高いということだろうか。
 コンピュータの処理能力を飛躍的に高めるという触媒、『トロンチウム』の確保のため、ルコント博士の研究を支援している。  しかし、彼女の真の目的はまったく違うところにあった。はたして『トロンチウム』の正体とは……


ゲイル Gale
(声:石丸 博也)

 ヘリコプターや水上飛行機を駆るブッシュ・パイロットである。世界各地に出没する、自称『トレジャー・ハンター』。普段いったい何をしているのかは謎。資源調査パイロットか(わたしの推定)、あるいは金持ちの御曹司なのかもしれない。
 サカナのかたちをしたものが苦手というほほえましい弱点を持つ。

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